日本のある場所をグーグルのストリートビューで見ると、不気味なハト人間が写りこんでいる――と、国内外のネットで話題になっている。
「×(ウィンドウを閉じる)ボタン押そうとしちゃった・・・」
「ホラー映画見てるのかと思った」
「いいか、絶対振り返るなよ!!」
アメリカのブックマークサイト「reddit」に貼られたリンクをたどると、玉川上水の緑道(東京・三鷹市)のストリートビューに飛ぶ。一見すると人々が散歩しているだけの画面だが、さらに進むと、頭部がハトで首から下が人間の身体を持ったキメラのような「ハト人間」7人(?)が白昼堂々、道の両脇に並びこちらに顔を向けてくる――ということがネットで拡散、話題になっている。服装はそれぞれバラバラで、つなぎだったり、カメラを提げていたり、女性らしきスカート姿も見られる。なんにせよ、ぎょっとする光景だ。
しかも、さらに先に進んで振り返ると、ハト人間らもこちらに向き直って凝視してくる。かなり不気味だ。「reddit」でも、「いいか、絶対振り返るなよ!!」「早く言ってよ…見ちゃった…」「何これヤバイ」とおびえる人が続出した。
ただ、よく見るとこのハト、首と身体の間に境目があり、どうやら被り物らしい。この「ハト人間」らは、正体を自らばらしていた。
「けっこう前のことになりますが、ライターで集まっているときにストリートビューの撮影に遭遇しました」――2013年6月20日、日本のネットメディア「デイリーポータルZ」のブログ上で、ウェブマスター・林雄司さんがこう明かした。記事についている写真には、「ハト人間」と同じ服装の人々が映っており、極め付けに、ハトの頭部を持っている姿も確認できる。
一体どうしてハト頭を被ったのかについては、
「常々ストリートビューにうつりたいと思ってたので、ひと工夫して顔がぼかされないようにしました」
「顔はぼかされてないですが、誰が誰だかは分かりません」
と胸を張った。要するに、ライターらがハト頭の被り物をもって集まっている時にグーグルストリートビューの撮影カメラが「偶然」通りがかったので、面白おかしく映りこんだ、ということらしい。
「グーグルのゲリラマーケティングの一環」?
ストリートビューは、カメラを載せた車や自転車、人間などが日夜世界中を走り回って撮影した映像を使用しているが、しばしば妙なものが映りこんでいるのが発見され、ネットで話題になる。
日本のネットでは「こういうので写りこみたい~^^」「偶然だったのww」「よく訓練されているww」「数日前に見た時にデイリーポータルじゃないかなと思ったらやっぱりデイリーポータルだった」と、同サイトを羨ましがったり褒めたりで大盛り上がりだ。
ただ、「reddit」からは「どうやってグーグルのカメラが来るのを知ったんだろうか?こいつら毎日こんなのつけて歩いてるの?うーん・・・変な奴ら!」と疑問の声も。
これに対する反応として、
「グーグルのカメラ見つけた奴が仲間を呼んだんじゃね?『ハト持って来いよ!!』とか言って。あるいは、日本のことだからね。すでに着た上でうろうろしてた可能性もあるけどね」
「多分、メンバーの知り合いにグーグルで働いている人がいたか、グーグルのゲリラマーケティングの一環か・・・あるいは、イースター・エッグ(編注:プログラマーの遊びでソフトウェアなどに仕込まれている隠しメッセージ)の一種?」
といった憶測も飛び交っている。
なぜストリートビューが来ることを事前に知ったのか、今のところはっきりとはしていない。