マレーシアに拠点を置く格安航空会社(LCC)のエアアジアは2013年6月25日、全日空(ANA)の親会社にあたるANAホールディングス(ANA HD)の合弁関係を解消すると発表した。エアアジアとANA HDは11年に合弁会社「エアアジア・ジャパン」(エアアジアJ)を設立し、成田空港を拠点に国内線や東アジア路線を運航していたが、業績低迷が続いていた。
エアアジアはエアアジアJ株の49%を保有していたが、全株を24億5000万円でANA HDに売却予定。エアアジアJによる運航は10月31日まで行われ、エアアジアからエアアジアJに貸し出されていた飛行機は11月1日までにすべて返却される。
ANA HDは「共同事業解消後についても、引き続き成田を中心としたLCC事業を継続します」とコメントしている。
羽田・関空-クアラルンプール線は運航継続
なお、エアアジアの長距離部門「エアアジアX」が運航している羽田・関空-クアラルンプール路線は従来通り運航される。
エアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOは
「全日空に対しては歴史ある優れた日本の航空会社として敬意を持っていますが、我々には別々の道を行くべき時が来たようです」
とコメントを発表。両者の溝が埋まらなかったことを明かした。ただし、日本市場については比較的評価している様子だ。
「日本におけるエアアジアブランドの認知は進み、7月、8月は日本全体で大変好ましい利用動向を示しています。日本市場については現在も前向きにとらえており、エアアジアXの好業績が示しているようにLCC事業がさらに発展していく可能性があると信じています。日本の空の旅を変革するという我々の目標は変わらず、市場への再参入を検討しています」