「替え玉発祥の店」ラーメン16年ぶり値上げ 7月1日から1杯400円が500円に

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   円安をもたらした「アベノミクス」による原材料の値上がりなどで、外食産業が相次ぎ値上げに踏み切っている。輸入小麦の価格上昇でパスタやパンの価格が、また食用油の値上がりでツナ缶やマヨネーズなどの価格がつれて上がっている。

   そうした中で、ラーメンの替え玉発祥の店とされる福岡市中央区長浜の「元祖長浜屋」は2013年7月1日から、1杯400円のラーメンを500円に値上げする。

原材料に人件費、電気・ガスも値上がり

「アベノミクス」でラーメンも値上がり?!(写真はイメージ)
「アベノミクス」でラーメンも値上がり?!(写真はイメージ)

   とんこつラーメンの「元祖長浜屋」は2013年6月20日、「価格変更のお知らせ!」と書いた案内を店頭に貼り出した。値上げは、1997年以来16年ぶり。「アベノミクス」による円安で、原材料の小麦や油の価格が高騰していることなどが理由だ。2008年に50円から100円にした替え玉、替え肉は据え置く。

   ただ、14年4月に消費税率が5%から8%になっても再値上げはしない方針。周囲には400円でラーメンを提供する店が多いが、原材料の高騰で「苦渋の決断」という。

   最近は「ラーメン文化」の高まりと競争の激化から、ラーメン店は他の外食店に比べて、かつてほど原価率は低くない。専門店では、いわゆるブランド鶏などを惜しげもなく投入し、長時間かけてじっくりと煮込むなど、その店のオリジナル味をいかに出していくかが勝負になっている。

   半面、ラーメンは「庶民の食物」だから、そうそう値上げできない。ラーメン一杯の平均は500円~700円前後とみられる。

   あるラーメンチェーンは、「値上げを検討中」としながらも、「小麦粉や油だけではありません。人件費も、電気代やガス代も上がっていて、集客力を高めて売り上げを確保しないことには(経営を)維持できません」と話している。

   回転ずしも、一部値上げしている。「全皿105円」が売りの「スシロー」を展開する「あきんどスシロー」は8月まで、「スシロー189」プロジェクトと銘打ち、「特ネタ本鮪中トロ」や「北海道産生ホタテ」などを1皿189円で提供している。

   単なる一律値上げではお客が離れかねないので、寿司ネタを「吟味」して、「プチぜいたく」なネタを折り混ぜた。

「どのタイミングで値上げするか」だけ

   「100円ハンバーガー」でデフレ時でも売り上げを伸ばしてきた日本マクドナルドホールディングスは、5月から値上げに転じている。

   コーヒーチェーン店「プロント」を展開するプロントコーポレーションも2013年4月から、コーヒーなどの価格を最大で1割引き上げた。たとえば、ホットコーヒーのレギュラーサイズはそれまでの200円が220円になった。

   コンビニの淹れたてコーヒーは100円から150円と安い。そのうえ、コンビニは集客力が高いことがある。そこでコーヒー豆のブレンドを見直して、品質にこだわり、「おいしさ」を前面に押し出すことでコンビニと一線を画す作戦に転じた。

   外食産業を取り巻く環境は厳しさを増している。円安進行で食材の多くを輸入に頼っているばかりでなく、人件費の高騰、コンビニやスーパーの総菜や弁当チェーンなど、競争相手が同業他社だけでなくなっていることもある。

   前出のラーメンチェーン店は「消費増税が加われば、値上げは避けて通れない」と話し、「どの店も、どのタイミングで値上げするかだけのこと」とみている。

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