「どのタイミングで値上げするか」だけ
「100円ハンバーガー」でデフレ時でも売り上げを伸ばしてきた日本マクドナルドホールディングスは、5月から値上げに転じている。
コーヒーチェーン店「プロント」を展開するプロントコーポレーションも2013年4月から、コーヒーなどの価格を最大で1割引き上げた。たとえば、ホットコーヒーのレギュラーサイズはそれまでの200円が220円になった。
コンビニの淹れたてコーヒーは100円から150円と安い。そのうえ、コンビニは集客力が高いことがある。そこでコーヒー豆のブレンドを見直して、品質にこだわり、「おいしさ」を前面に押し出すことでコンビニと一線を画す作戦に転じた。
外食産業を取り巻く環境は厳しさを増している。円安進行で食材の多くを輸入に頼っているばかりでなく、人件費の高騰、コンビニやスーパーの総菜や弁当チェーンなど、競争相手が同業他社だけでなくなっていることもある。
前出のラーメンチェーン店は「消費増税が加われば、値上げは避けて通れない」と話し、「どの店も、どのタイミングで値上げするかだけのこと」とみている。