誇大広告表示、通信障害と問題が立て続けに起こっているau版のiPhone5が、さらなる苦境に立たされそうだ。
「iPhone5のパケ詰まり率は、au版が20.4%、SoftBank版が2.3%」
――こんな数字を2013年6月21日、MMD研究所が発表したからだ。
ページの表示速度もauのほうが2倍遅い
「パケ詰まり」は携帯電話回線でのインターネット利用中に、アップロードやダウンロードが急に出来なくなってしまう現象のことだ。
ネット上で生まれた俗称なため明確な定義はないが、今回の調査では「WEBページが完全に表示されるまでに30秒を経過したものをパケ詰まりとしてカウント」している。
同研究所はJR山手線の乗降客数が多い新宿・池袋・渋谷・東京・品川・新橋(6駅・12スポット)で、通勤ラッシュ・帰宅ラッシュ時に各キャリアのiPhone5などを対象に、Yahoo!Japanのトップページが完全に開くまでの表示時間を計測した。調査は端末ごとに各駅で200回、計1200回おこなった。調査期間は2013年6月10日~14日。
その結果、WEBページが表示されるまでの平均時間は、au版が11.38秒、SoftBank版が4.91秒と、au版のほうが2倍以上遅いことがわかった。
さらに、パケ詰まりはau版で245回(20.4%)、SoftBank版で28回(2.3%)起きていた。au版でもっともパケ詰まりが酷い場所は品川駅で200回中105回(52.5%)を記録、次に新宿駅(40%)が続いた。ソフトバンク版でも品川駅が最悪だが、数字は9.0%と低い。
実は、auのiPhone5はネットワークの点で優位だと、2012年9月の段階では、「本命」視されていた。当時、KDDIの田中考司社長も「iPhone 5ではネットワークに相当焦点があたる。他社のネットワークは結構混んできていると思われていて、そうなるとやはりauのほうがいいよねと」とそうした見方を肯定していた。そして、「4G LTE」は「本当に速い」とアピール、「トラフィックの多い都心部を中心にスタートする。購入していろいろなところで測定していただければ」とまで胸を張っていた。
ところが今回、実際に「いろいろなところで測定」した結果がこれだ。
auユーザー「自分の実感を裏打ちしてる」「設備増強してよね」
ネットでは、auユーザーから、
「今日もauは快調にパケ詰まり」
「たしかにauはパケ詰まりするよね。ユーザーが多いからだろうけど、ユーザー数なりの設備増強してよね。渋谷、新宿、秋葉原あたりでは結構きついのよね」
「au iPhone5はちょっとひどすぎだろ、、、」
「品川駅でのパケ詰まり率52.5%は自分の実感を裏打ちしてる」
と、調査結果に首肯する声が数多く上がっている。
一体どうしてこんな期待に反する結果が出てしまったのか、J-CASTがauを運営するKDDIに問い合わせたところ、
「当社が調査したものではございませんので、個別の質問にはコメントしかねます」
と回答。その上で
「今後もauをお使いのお客様のつながりやすさを目指して対策をしてまいります」
とだけコメントした。
なお、au版iPhone5の「パケ詰まり」問題については、2012年12月頃からネットで問題視され、解約騒動がおきるなど話題になっていた。