成田空港から富士山まで「電車一本」構想
となると、やはり気になるのが経済効果だ。世界遺産登録が確実になった5月以降、すでに地元観光業界は活況にわいている。たとえば静岡市の「駿河湾フェリー」は、5月の乗用車積載数が対前年比167%という「近年にない大幅増加」(環駿河湾観光交流活性化協議会)。6月以降はさらなる乗客増も、とそろばんを弾く。
みやげ物業界の動きも急だ。24日には早くも、「世界遺産」の4文字を大々的にプリントした「富士山限定焼」(ショウエイ)などの製品が、富士山周辺の駅やSAなどで販売を開始した。地元商店街も、相次いでこうした富士山グッズを店先に並べ、「特需」獲得を目指す。
この波に乗り、富士山に「登山鉄道」を作ろう、という話まで持ち上がっている。富士急行(山梨県)が構想しているもので、現在の富士急行線を富士山五合目まで延伸する、というプランだ。実現すれば、成田空港から富士山まで「電車一本」で行けることになる。