「児童ポルノ禁止法」、マンガ・アニメは規制対象から外すべきだ
みんなの党・山田太郎議員に聞く

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本当はマンガ・アニメ規制のほうが目的ではないか

秋葉原で児ポ法について街頭演説(2013年6月12日撮影)
秋葉原で児ポ法について街頭演説(2013年6月12日撮影)

―この改定案は何を狙ってできたのでしょうか。

山田 そもそもは「児童ポルノで写真を撮られてしまった子の権利を守るために、映像が流通しないようにしよう」というものでした。
   でも、それとマンガ・アニメは関係がないですよね。実在しないキャラクターなのに、一体誰を何のために守るのか。「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シーンだって危ないのでは、と言われています。しずかちゃんの裸守ってどうするの、といいたいです。

――ではなぜ、アニメ・マンガが本則の文言にもりこまれたのでしょうか。

山田 麻生財務大臣にこの問題を質問したときに、「それでは小説はどうなるのですか」って聞いたら、「小説は子どもが読まない。マンガとアニメは子どもが読む」とおっしゃっていた。「子どもが読むものは規制しなきゃいけない」ということかもしれません。
   この発想の背景には、広大な世代間の不理解があると思います。規制したい人たちは、いわゆる「ネット世代」の若者が好むマンガやアニメなんて見たこともないだろうし、彼らがそれをどう受け取っているかもわからない。
   「気持ち悪いもの嫌なものはなんとなく取り締まっちゃえ。そういうものが世の中に氾濫しているから悪い文化があるし悪い子ができちゃうんだ。その延長線上に児童ポルノ愛好家がいるんだ」
   こんなお粗末な三段跳び論法みたいなところがありますよね。わからないならわからないで、放っておけばいい。

―「児童ポルノで撮られた子どもの権利を守る」と「子どもが読むものを規制する」という2つの異なる目的が、1つの法案に入っています。

山田 「児童ポルノ」と「子どもが読むものへの規制」はわけてやればいい。マンガ・アニメ規制を外せば、ひょっとしたらもっと多くの支持が得られて、通せるかもしれないですよ。それなのに、2009年に否決されたときから一貫して二つを一緒の法案にしている。だから、本当はマンガ・アニメ規制のほうが目的で、「児童ポルノ」は言ってみれば隠れ蓑なんじゃないか。そんな意図があるんじゃないか、と感じています。
   ただ、もちろん単純所持自体も問題ですよ。現在、単純所持が禁止されているのは拳銃と麻薬だけで、児童ポルノがそれに並ぶほどのものなのかは疑問です。それに「3号ポルノ」は裁量行政になりますから、自主規制だけでなく冤罪を生みかねない。
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