全日空がエアアジアとの提携解消へ 「LCCブーム」早くも陰り、生き残りに必死

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将来は「ピーチ」ブランドに統一?

   LCCは低コストが使命であり、チケットは旅行代理店などを通さず、個人が直接インターネットから各航空会社のホームページにアクセスして購入するのが基本だ。エアアジアはアジア最大手のLCCとはいえ、「日本での知名度が低く、ネット検索するまでの壁は高い」(航空関係者)。しかも、エアアジア・ジャパンのホームページはエアアジア本体のものをベースに作成されており、「英語が多く、検索システムも日本人になじまない」と不満をもつ利用者は非常に多い。

   さらに、エアアジア・ジャパンが拠点とする成田は多くの航空機が乗り入れ、競争が激しいうえ、午後11時~翌日午前6時は原則、航空機の離着陸ができないという制約がある。

   これに対し、ピーチが拠点とする関空は競合相手が少なく、24時間営業。ピーチは関西を地盤とする姿勢を強く打ち出し、関西一帯で知名度を上げており、お年寄りや若い女性など、新たな需要の掘り起こしに成功している。

   ピーチと比べれば、エアアジア・ジャパンが営業上、不利な条件にあるのは否めない。

   ANAとエアアジアとの提携解消に就いて、航空関係者からは「ANA傘下で経営した方が地名度やブランド力が向上する」と前向きな評価が少なくない。実際、ANAは将来的に、エアアジア・ジャパンをピーチブランドに統一して運営する可能性もある。

   エアアジア・ジャパンは就航からまだ1年も経たないうちに、経営上、大規模な変革に直面している。日本に乗り入れているLCCはすでに、日系3社を含め、7カ国14社に上る。「今後、競争はさらに激しさを増す。どんな航空会社でも戦略の転換に手をこまねいている時間はない」(航空関係者)との声は多い。

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