日光白根山や箱根山では今年に入って地震増える
火山噴火予知連絡会が発表した、東日本大震災後に地震活動が活発化した火山は、6月18日現在で21か所ある。ほとんどは地震発生の2011年3月11日から間もなくして「最大マグニチュード(M)」を記録しているが、例外もある。栃木県と群馬県の県境にある日光白根山では、震災直後に起きた地震が収まった後の2013年2月25日、M6.3を計測して再び増加した。
箱根山(神奈川県)もそのひとつだ。震災直後の地震活動がいったんは平常化したが、2013年1月11日以降また活発になり、一部で群発地震が発生して体に感じないものを合わせると1か月間で1400回を数えた。神奈川県温泉地学研究所によると、2月10日にはM2.3を観測したという。このときは箱根・大涌谷で局地的に「震度5」が観測され、ロープウエーが一時運行を停止した。ただ同研究所は、すでに活動は終息しており噴火の可能性は低いとみているようだ。
今のところ、東日本大震災が直接の原因となる火山噴火は見られない。専門家も「すぐに噴火の恐れなし」と口をそろえる。その一方で東大名誉教授の藤井氏は、M9レベルの巨大地震が起きると、「今後数年から数十年程度は震源域周辺の広い領域で地殻応力状態が変化すると予想されます」と分析、影響がすぐに収まるわけではないと警告する。必要以上に恐れる必要はないだろうが、震災から2年が過ぎたからといって「噴火の心配はない」と結論付けるのは早計、というわけだ。