「中国人はウソつき」などと講演で発言したとされる広島法務局東広島支局の男性支局長(58)について、外国人差別だなどと抗議する動きが報じられた。支局長はさらに、同和問題でも発言していたことが分かった。一方、ネット上では、「どこが悪いのか」との声も出ている。
発言が出たのは、なんと「雇用と人権」をテーマにした講演だった。
「同和団体の糾弾が怖いから、エセ同和生まれる」
この講演は、広島県大崎上島町と町内企業などでつくる町企業関係者等人権推進協議会の主催で、2013年6月17日にメンバーら約30人が出席して町内で行われた。
大崎上島町の住民課などによると、東広島支局の支局長は講演で、「中国人は自尊心が強く、ウソつき」などと述べたほか、「フィリピン人はちゃらんぽらん」とも指摘した。続けて、「分かりやすくするために少し耳障りな言葉を言った。公の場では、このような発言はしない」とし、外国人を雇用するときには違いを認め合うことが大切だと言いたかったなどと説明した。
さらに、大崎上島町や、役員がメンバーになっている部落解放同盟広島県連合会によると、支局長は講演で、同和問題についても発言した。
部落の住所などの一覧本が1975年ごろから企業などに出回った「部落地名総鑑事件」を巡り、同和団体がそうしたことを糾弾したことから、同和は怖いという意識が生まれ、献金などを不当に要求する「エセ同和行為」が生まれてきたと指摘した。
大崎上島町などでは、外国人への発言について、「人権意識を欠いており不適切」だなどとして、支局長らに真意の説明を求める文書を19日に送った。また、同和問題への発言についても、「事実と反する内容なので不適切」(大崎上島町)だとしている。広島法務局側からは、まだ回答はないという。
新聞各紙が支局長の外国人発言を報じると、ネット上では、「なんでこんな人権感覚に疎い人がこう云う役職に就くんやろ」「言っていい時とそうでない時の区別が付かないようでは…」と批判も出た。