3Dプリンターは夢の製造機か? 価格低下でブーム加熱、過剰反応も

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

国家戦略を持って対応する必要

   現在のブームには、3Dプリンターの価格の急低下という背景が見逃せない。従来は数百万円、高性能なら数千万円もしたが、中小企業や個人向けに十万円台の製品も出始め、利用が一気に広がっている。

   むろん、金型を作るような高機能機種は従来通り高価だが、低価格で、卓上に置いて普通の紙印刷機のように使えることで、個人や個人事業者がおもちゃであれ、ちょっとした部品等であれ、試作してネットで公開し、購入者を探し、人気になれば出資者が現れるといった可能性も、関係者の間で語られている。

   政府の2013年版「ものづくり白書」(6月7日決定)は、世界のものづくりの潮流の変化として3Dプリンターを取り上げ、「低価格化により本格的に普及が進んだ場合、熟練工が持つような高度な加工技術が不要となり、ものづくりの方法が大きく変わる可能性がある」との見方を示し、日本企業が得意としてきた製品開発ノウハウが優位性を失うことへの危機感を表した。国産の高機能機種の開発、3Dのソフト技術者の育成など、国家戦略の重要性が増している。

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