各国の労働者の幸福度ランキングで、日本がG8中ワースト2位になったことがわかった。ネットでは長時間労働などが影響しているとの見方が出て、「なっとく」「働かされすぎ」などと首肯する人が相次いでいる。
G8とBRICSをあわせた12か国の労働者の幸福度ランキングを、イギリスの人材マネジメント協会「CIPD」が2013年6月18日までに発表した。
ネットの反応「むしろ下がいたことに驚きだよ」
G8とはフランス、イギリス、ドイツ、イタリア、日本、アメリカ、カナダ、ロシア、BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを指す。同協会では、国際労働機関(ILO)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)などが集めている各種統計データを独自に分析し、労働者が「暮らしに満足しているか」を調査した。
公表された順位は以下の通り。
1位:カナダ……91%
2位:イギリス……91%
3位:ドイツ……86%
3位:イタリア……86%
3位:アメリカ……86%
3位:ブラジル……86%
7位:南アフリカ……81%
7位:日本……81%
7位:フランス……81%
10位:中国……73%
11位:ロシア……60%
12位:インド ……39%
見ての通り、日本における職場環境への満足率は81%、12カ国中7位で、G8の中ではロシアに次いでワースト2位となっている。
ただ、これを見たネットユーザーらの反応は「納得」というものがほとんどだ。日本の長時間労働者の多さはネットでも再三言われていて、それを指摘する声が多い。
「『働きすぎ』ではない。『働かせられすぎ』が正しいと思う。ホントに81%なの?」とこの数値でも高すぎなのではといぶかる人や、「むしろ下がいたことに驚きだよ」との発言まで飛び出している。
OECD調査では「ワークライフバランス」12か国中最下位
13年5月に発表されたOECDの幸福度調査「より良い暮らし指標(ベターライフインデックス、BLI)」でも、日本人が「生活に満足している度合い」はG8中、ロシア、イタリアに続き下から3番目。さらに、「ワークライフバランス」は先の12か国中でも最下位だった。
BLIでは、日本の「ワークライフバランス」について、長時間労働者の割合が加盟国中2番目に多かったほか、余暇や睡眠、食事の時間が平均を割り込んでいるなどと説明している。
CIPDのランキング結果では、「暮らしの満足度」は平均収入と強い相関関係にあると説明しているが、日本についてはこうしたことも影響しているのかもしれない。
ちなみに、CIPDの調査では「日本は高齢労働者がもっとも多く、労働力の17%が60歳以上」「アメリカの約20%の会社がペットを連れてきても良い」「フランスにはランチタイムが22分しかない」「インドでは雇用されていないほうが雇用されているよりも幸せである」といったことも判明したという。