「河野談話が表現不足だったのは間違いない」
さらに橋下氏は、6月19日の毎日新聞朝刊に掲載された石原信雄元官房副長官のインタビューも言及した。石原信雄氏は、従軍慰安婦の動員について強制性を認めたとされる1993年のいわゆる河野談話の取りまとめに携わったことで知られている。インタビューでは、石原信雄氏は
「明らかに本人の意思の反するものがあったことは否定できないという心証を我々は得た」
としながらも、
「文献その他からは、日本政府なり軍部が強制的に慰安婦を募集せよといったものはない。焼いてしまったという人がいるが、そうじゃないと思う。当時の軍だって、本人の意に反してでも集めろなんて文書を出すはずがない」
とも述べている。
この点について、橋下氏は、
「あの事実のまま河野談話に書けば良かったんです。(事実を)認定したのであれば。それを河野談話では抽象的に書いてしまったが故に、石原信雄さんは『あいまいじゃない』って言うんですけれども、世界の認識と石原信雄さんの認識は全然違う」
と、河野談話が原因で、日本政府の意思で強制的に慰安婦が集められたとの認識が世界中に広がったとして改めて批判した。さらに、
「河野談話が表現不足だったのは間違いない。これは石原信雄さんをはじめ、河野談話を作成した人の大罪だと思いますよ」
とも述べ、従来の主張を繰り返した。