集英社のファッション誌「セブンティーン」の2013年7月号の電子書籍版に出ている一部のタレントの顔や体が映っている写真が、灰色に塗り潰ぶされていて気持ちが悪いとネットで話題になっている。
塗り潰されたのは主にジャシーズ事務所のアイドルで、写真を多用しているページは半分近くが灰色になる異様さだ。集英社はファッション誌の電子版に力を入れているが、ファンを冒涜するような結果になった、という声がネットで挙がっている。
ページの半分が灰色になっているという奇妙さ
集英社がファッション誌の電子版の配信を始めたのは13年5月からで、現在は「LEE」「MORE」「メンズノンノ」など11誌になっている。価格はいずれも紙の雑誌の6割程度の設定で、「セブンティーン」は雑誌が580円のところを350円。雑誌は約210ページあるが、電子版掲載が一部除かれて約180ページになっている。
その「セブンティーン」電子版だが、13年6月18日にテレビゲーム「かまいたちの夜」状態になっていると騒ぎになった。「かまいたちの夜」というのは大ヒットしたサウンドノベルゲームで、ペンションの宿泊客が次々と殺されていく。ゲーム画面に登場するキャラは切り絵のような形の灰色で、どんな顔や表情になっているのかわからない。そうした演出がホラー要素を強めプレイヤーの興味を引いた。
雑誌には普通に写真が掲載されているのだが、電子版では数ページにわたり、顔や体が灰色に塗り潰されている。例えば雑誌の185、186ページにあるジャニーズの人気グループ「Kis-My-Ft2(キスマイ)」は、7人のメンバー全ての顔や体が塗り潰され、ページの半分ほどが灰色だ。また、なぜかお笑いコンビ「タカアンドトシ」の写真も灰色だ。そのほかにも「Hey!Say! JUMP」が担当している連載「月刊ヘイセイさん」に登場した岡本圭人さんも塗り潰されている。こうした記事だけでなく集英社の雑誌「Myojo(明星)」13年7月号表紙の広告1ページ分についても、これもジャニーズのタレントが出ているのか、全て塗り潰され、何の雑誌なのか分りにくくなっている。
電子版が主流になるのに「時代遅れも甚だしい」
ネットでは、ジャニーズがネットに写真を掲載することに厳しいのは知っているが、雑誌に掲載されたものなのにここまで徹底して塗り潰すのはどうか、という意見が多く出ていて、
「カルト宗教みたい」
「電書にまでダメとかもう訳分からんわ。時代遅れ甚だしいよなぁ」
「買った人は消費者庁に文句を言っていいと思う。言わないから馬鹿にされる」
などの意見が出ている。また、紙媒体ではなく電子版が主流になる時代になったらどうするつもりなのか、と心配している人もいる。
タレントがネットに露出するのを嫌っているといわれていたジャニーズだったが、09年12月には「第60回NHK紅白歌合戦」のネット配信をNHKと合意した。10年4月には公式サイトでSMAPや嵐など所属タレントの動画配信を始めており、ある意味「雪解け」が進んでいるとも見られていた。実際はどうなのか。集英社広報になぜ「セブンティーン」電子版でジャニーズのタレントなどの写真を塗り潰したのかを聞いてみたが、コメントは返ってこなかった。