莫大な財政赤字の解決方法は「インフレ」か「デフォルト」か……
「財政ファイナンスとみられても仕方ない部分がある」――。民主党の細野豪志幹事長は2013年5月25日、そう言って政府と日銀をけん制した。2日前の23日、財務省が国債の入札をした、その日に日銀が国債の買い取りを表明したからだ。
日銀は「2年間で2%の物価上昇を目標に2倍の資金供給をする」としている。「金融緩和で期待に働きかけるのはいいが、国の財政を回すために国債を買い取るのが目的になってはいないか」との懸念が出てきた、という。
しかし一方で、そもそも莫大な財政赤字の解決方法はそうない。欧州連合のようにコツコツと財政再建を断行し債務を減少させるか、かつてのロシアのようにデフォルト(債務不履行)に陥るか、インフレ率が数千パーセントというハイパーインフレによって債務を解消させてしまうか、だ。
日本が目指しているのは、インフレによる財政赤字の「軽減」。たとえば缶コーヒーが1本1億円といったようなことにならないように、インフレ率をコントロールしながら景気をよくしていく。
ただ、景気回復が実現できなかったときは、円安、インフレ、債券安(金利高)だけが残ることになる。