「毒ピータン」日本に輸入されていないのか 中国江西省30社の加工場が生産停止

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   アヒルなどの卵を熟成させる中華料理の高級珍味「ピータン(皮蛋)」。中国江西省南昌県の加工場でつくられていたピータンに工業用硫化銅が使われていた疑いが強まり、30社の加工場で生産停止となっている。

   現在、横浜・中華街を中心に日本で食されているピータンは中国からの輸入品だが、輸入元によると、ほとんどが「青島皮蛋」といって山東省微山湖付近でつくられているという。

「輸入時に検査していますから安心して食べていただけます」

中国・江西省南昌県のピータン加工場は生産停止に
中国・江西省南昌県のピータン加工場は生産停止に(写真と本文は関係なし)

   中国江西省南昌県は、ピータンづくりに工業用硫酸銅が使われていた疑いが強まったとして、30社のピータンの加工場を閉鎖・生産停止とした。時事通信が2013年6月16日、中国メディアの報道として伝えた。有害物質を含む「毒ピータン」が出回らないよう、国家食品薬品監督管理総局も、食品添加物としての基準にあわない硫酸銅が使われていないか、加工会社や製品などの検査に乗り出した、とされる。

   ピータンは一般に、アヒルの卵を塩や生石灰、粘土などと2か月以上漬け込んだもの。黄身は濃緑褐色に、白身は茶褐色のゼリー状に仕上がり、中華料理の前菜として食されることが多い。

   独特の、アンモニアや硫黄の匂いがするが、食べる前に8等分ほどに切って、しばらく放置しておけば、匂いが抜けて食べごろになる。

   今回中国で起こった問題は、製造にかかる期間を大幅に短縮するために、一部の加工場で硫酸銅を混ぜていた。硫酸銅は、本来は醗酵させて硫化水素で徐々に浸透させる卵を、黒ずませるために使われた。銅はレバーなどにも多く含まれ、貧血や白血球の減少を防ぐというが、過剰に摂取すると消化管障害や肝機能障害を引き起こす、とされる。

   ピータンは中国全土でつくられ、主産地は湖南省や四川省、江蘇省などがあるが、日本に輸入されるピータンは、ほとんどが「青島皮蛋」。ある輸入元によると、「今のところ、輸入への影響はありませんし、輸入時に検査していますから安心して食べていただけます」と話している。

ピータン輸入量、1社だけで年間約180万個

   ピータンは、長期保存が困難とされる卵の長期保存を可能にした加工卵でもある。輸入元によると、賞味期限は1年。農産加工品なので、卵黄の固まり具合にはバラツキがあるが、中国では10度くらいの冷暗所に保存すれば、長いものは製造日から約2年は持つとされている。

   なかでも「青島皮蛋」は、卵黄が半熟状よりやや固めで、その芯がとろけている「溏心皮蛋」という種類で、アンモニア臭さが比較的薄く、食べやすいので日本人にも好まれている。

   青島皮蛋の輸入量は、横浜・中華街のある輸入元だけで、年間約180万個にも達している。

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