海江田さんは、「毛筆の海江田」でいい
―― 自民党はマスメディア対策だけでなく、ネットメディアの活用にも積極的です。特に安倍晋三首相のフェイスブックの注目度は高い。海江田万里代表のフェイスブックは地味だとも言われますが、どのようにテコ入れしますか。
鈴木 安倍首相のフェイスブックについた「いいね!」は30万程度ですが、首相就任前は10万程度でした。安倍首相のチームはこの3年間、「ある過激なポジション」をとることによって支持者を増やしてきたのだと思います。そうは言っても1億3000万分の10万。きわめて限られた層に向けてポジションを鮮明にする戦略をとっている形ですが、ヒラ議員ならともかく、国政全体にとって本当にいいのかどうか…。ある意味ではネット対策をし過ぎているとも言えます。
―― 鈴木さんは、国会の場で「安倍首相のコメント欄にヘイトスピーチに近い書き込みがある」と指摘していました。
鈴木 安倍首相のフェイスブックは影響力が大きいだけに、そのことが国際社会に与える影響も考える必要がある。コアの5~10万人を集めるために、日本国総理として国際的に犠牲にしたものも大きいのではないでしょうか。本当にジレンマですね。
ネットはひとつのツールで、あくまでメディアミックスが大事。そう考えると、海江田さんは、フェイスブックに注力するよりも「毛筆の海江田」でいいと思いますね。
鈴木寛さん プロフィール
すずき・かん 1964年、兵庫県生まれ。灘高等学校、東京大学法学部公法学科卒業。1986年4月、通商産業省に入省。中央大学兼任講師、慶應義塾大学環境情報学部助教授。2001年、第19回参議院議員通常選挙に東京都選挙区から出馬し、初当選。07年、再選。09年9月、文部科学副大臣に就任。11年より超党派スポーツ振興議員連盟幹事長、超党派文化芸術振興議員連盟幹事長、超党派2020東京オリンピック・パラリンピック招致議員連盟事務局長、大阪大学招聘教授、中央大学客員教授、電通大学客員教授なども務める。NPO法人日本教育再興連盟代表理事、NPO法人グリーンバード監事、現場からの医療改革推進協議会事務総長。