ネット選挙で投票の質上がり、「ロングテール」ニーズも拾える
民主党・鈴木寛参院議員(党広報委員長)に聞く

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政策ごとの「熟議コミュニティ」で「渋い安打を沢山打つ」

―― では、民主党としては、参院選ではどのようにネットでの「見せ方」を工夫しますか。

鈴木 政策ごとの「熟議コミュニティ」を作りたいと思っています。ロングテールアジェンダですね。これまではホームランのような派手な政策しか評価されませんでしたが、イチローのように渋い安打を沢山打つことに関心を持ってもらえるコミュニティをつくることが大事です。

―― 派手な花火のような象徴的なものをテーマに戦うのではない、ということですね。

鈴木 その通りです。経済以外にも大事なアジェンダがあるはずです。安倍政権は経済、株価1本で勝負しようとしている。経済といっても物価や金利の話もあるはずです。国債金利が上がると利払いが増えて来年度予算の編成も立ちゆかなくなるでしょう。マスメディアは「アベノミクス勝利!」とばかりに株価しか話題にしません。
   民主党としては、第2、3のテーマを提起していきたいと思います。例えば政権が自民党に戻ってから、社会保障の話題が聞かれません。民主党が9%増やした教育予算を安倍政権になってカット。民主党政権では公共事業費を34%削減しましたが、安倍政権になって15%増えている。「ほんとにこれでいいの?」って思いますね。メディアのアジェンダセッティングの力が強すぎて、このような問題点が株価で隠蔽されています。

―― 12年12月の衆院選では惨敗しました。広報面を振り返って、どのような反省点がありますか。

鈴木 民主党が掲げたコンセプトと政策自体はよかったものの、それを伝えられなかった。テレビCMも大量に打ちましたが、ほとんど効果がありませんでした。マスメディアが編集権を持っている部分の情報量が圧倒的です。アジェンダセッティングと報道姿勢で、我々はどうにでもなってしまいます。第1の権力ですよ、商業メディアは。だからネットメディアで言論空間を多様化することが必要です。
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