三菱自動車と日産自動車が共同開発した初の軽自動車(三菱eKワゴン、日産DAYZ=デイズ)が2013年6月6日、正式に発売になったが、三菱自はこの新型eKワゴンに不具合があったとして、リコールを、発売前の4日に国土交通省に届けた。
三菱自は次世代のエコカーとして発売中のプラグインハイブリッドカー(PHEV)「アウトランダーPHEV」と電気自動車(EV)の「i-MiEV(アイミーブ)」「MINICAB-MiEV(ミニキャブミーブ)」に搭載するリチウムイオン電池の不具合でもリコールを国交省に4日に届け出た。相次ぐリコールの中でも、発売前の新車のリコールは「前代未聞」とも言え、新型軽のブランドイメージに与える影響が懸念される。
走行安全性には支障なし
三菱自のeKワゴンのリコールそのものは軽微だ。「テールゲートに固定するハイマウント・ストップランプに塗布したすべり剤の影響で、ランプのツメ部に亀裂が発生。ハイマウント・ストップランプが取り付け位置からずれる恐れがある」(三菱自)という。リコール対象車は1449台。三菱自は生産工程の初歩的なミスで、全国のディーラーの試乗車などに充てるため、ユーザーの手には渡らないと説明している。もちろん、ハイマウント・ストップランプがずれたところで、走行安全性に大きな支障はない。
深刻なのは、三菱自が経営資源を投入して開発した次世代エコカーの「アウトランダーPHEV」や「アイミーブ」のリチウムイオン電池の不具合だ。これまで電池が異常過熱するトラブルが報告されてきたが、リコールは一連のトラブルを認める内容となっている。アウトランダーPHEVやアイミーブとも「充電中に電池セルの内部短絡が発生する場合があり、電圧が低下。走行不能となり、最悪の場合、電池セルおよび周辺部品の一部が溶損する」という。これらのリコールは、eKワゴンと同時に国交省に届け出たため、新聞などマスコミで大きく報道された。