発言や行動でなにかとネットを賑わせる映画監督でアニメ演出家のヤマカンこと山本寛さん(38)が、オリジナルテレビアニメ「Wake Up, Girls!」の監督を務めることになった。
このアニメは7人の少女たちが人気アイドルグループに育っていくという内容だが、ネットではアイドルアニメものが最近多いこともあって、「二番煎じかよ」「アイドルアニメは食傷気味」といった声が出ている。
アイマス、ラブライブ!、アイカツ!・・・もうお腹いっぱい!!!
このところアイドルを題材にしたアニメやゲームが多く製作されている。TV放送終了後、アニメに登場するキャラの新曲CDをリリース、コンサートを開催したり、収録したDVDなどを発売したりしてバカ売れする例も少なくない。
その代表がテレビゲームで大ヒットし、2011年にテレビアニメ化された「THE IDOLM@STER(アイドルマスター)」や、アイドルグループAKB48をモチーフにしたSFアニメ『AKB0048』だ。
2013年に入り最も注目されたのが、オリジナルアニメ「ラブライブ!」。約3年前に、アニメ化を見越して女性声優を中心にグループ「μ's(ミューズ)」を結成し、CDやアルバムの発売や、コンサートを開催するなどして人気を獲得したうえ、満を持してアニメの放送となった。「アイカツ!アイドルカツドウ!」といったアニメもあり、アニメから生まれたアイドルはかなりの数になっている。
ヤマカンが監督をするオリジナルテレビアニメ「Wake Up, Girls!」は、13年6月10日に公式ホームページがオープンした。いつからどの局で放送するかは明らかにされていない。アニメの舞台は宮城県仙台市にある倒産寸前の芸能プロダクションで、業績回復の手段として7人の少女たちをアイドルグループとして育成し芸能界デビューを目指す、というものだ。
同アニメの7人のメインキャストは2000人以上のオーディションから選ばれた「経験はゼロ」の人たち。アニメとともにキャストも育てていく、という方針なのだそうだ。13年7月28日に開催される「ワンダーフェスティバル2013」で初お披露目をする。
08年の「かんなぎ」でアイドルアニメを作っていた?
ただ、ネットでは、
「やるのが何年か遅いわ。女の子+歌(アイドル)はもうやりすぎで食傷だろ」
「アイマス、ラブライブ!・・・もうお腹いっぱいです」
など「いまさら」といった意見が多く出ている。
アイマスもラブライブ!もアニメは終了したが、キャラを演じた声優による新曲CDのリリースやコンサートの開催は継続中で、また、「ハヤテのごとく!」といった長期放送されているアニメなどにもアイドルキャラが登場、キャラを演じている声優がCDのリリースやコンサートを始めている。おそらく「Wake Up, Girls!」の7人のキャラも同じようなことを仕掛けるつもりなのだろうが、こうした戦略に関しては「バスの席が埋まっている」という理屈のようだ。
とはいうものの、ヤマカンに期待する声がないわけではない。ヤマカンの名前が知られるようになったのは2006年に放送されたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」からで、エンディングを担当した。4人の主要キャラが歌い踊るアニメが大評判となり、「ハレハレダンス」として世界中のハルヒファンが踊って、その様子をユーチューブに投稿する、といった一種の社会現象になった。
アニメ「らき☆すた」では初めて監督に就任し、オープニングのダンスシーンなどが好評だったが、途中で監督を降ろされてしまう。
しかし、08年から監督をしたアニメ「かんなぎ」をヒットさせ「復活」を果たした。実はこの「かんなぎ」、主人公は神社の精霊のような存在なのだが、オープニングはなぜか売れっ子アイドルの設定だった。これが非常によくできていると評判で、今でも強烈に記憶している人が多い。
そのため、ヤマカンはアイドル物の、先駆者的な存在だとし、
「ヤマカンなら絶対に凄いことをやらかしてくれるはず」
などと期待する声も出ている。