少年サッカーチーム「コーチ料」は月額十数万円程度
筑波大学セカンドキャリアプロジェクトのウェブサイトに掲載されている、「Jリーグにみるセカンド・キャリア・サポート」という2012年の研究発表によると、毎年Jリーグから登録を抹消されるのは100人超で、7割は20代。引退時の平均年齢は25.6歳という。引退イコール「失職」となり、自力で再就職先を見つけなければならない。
石井氏は、「現役時代に多くの選手が、指導者ライセンスの『C級』を取得しています。これは12歳以下の子供たちに教えられる資格です」と話す。実際に引退後に少年サッカーチームのコーチに就任するケースがある。「コーチ料」はまちまちだろうが、石井氏の推測では月額十数万円程度。単身者ならともかく、家族がいれば十分な金額とは言えない。サッカー番組の解説やチームのスタッフなど「仕事のパイ」は限られている。業界に残って生計を立てられる元選手は極めて少ないようだ。
「最近、大卒のJリーガーが増えているんです」と石井氏。引退後、大学の人脈を生かして出身校のサッカー部や教員のポストを世話してもらえる可能性が高まるという。高校で名をはせた選手でも、親や周囲が「大学は出ておいた方がよい」と助言し、直接Jリーグ入りというケースが以前よりは少なくなっているそうだ。