中国が東シナ海や南シナ海での活動を活発化させるなか、米上院の超党派の議員が、「中国が地域の緊張をさらに高めた」とする非難決議案を提出した。上院は2011年にも南シナ海での中国の行動を非難する決議を採択しており、今回も採択される可能性が高い。
オバマ大統領は米中首脳会談で「同盟国が脅迫されることは受けいれられない」と中国側に伝えたとされており、議会も歩調を合わせた形だ。
南シナ海の中国の行動も「危険で安定を損なう」と非難
決議案は2013年6月10日、メネンデス外交委員長(民主)、ルビオ上院議員(共和)、カーディン上院議員(民主)の超党派の3議員が提出した。決議案ではまず、南シナ海で中国船が11年5月にベトナム調査船のケーブルを切断したり、12年4月にフィリピンと領有権を争っているスカボロー礁の入口を封鎖したりしたことを「危険で安定を損なう出来事」だとして批判。
東シナ海での出来事については、13年5月に運用が始まった日台漁業協定を「他の協定のモデルになる」と評価しながら、13年1月の中国艦船による日本側へのレーダー照射や4月23日の尖閣諸島周辺の領海侵犯を「さらに地域の緊張を高める」と非難した。
人民日報に沖縄県に関する日本の領有権に疑問を呈する論文が掲載されたことも指摘。中国が尖閣諸島を「核心的利益」だと主張していることについても、「一方的な行動」だとして批判した。
さらに、米国の立場については
「米国は尖閣諸島の最終的な主権について立場をとるものではないが、米国政府は尖閣諸島が日本政府の施政下にあることを認識しており、この施政権を損ねるいかなる一方的な動きに反対する。第三者による一方的な行動は、尖閣諸島における日本の施政権に関する米国の認識に影響しない、ということを支持する」
と記述。その上で、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象に含まれることも明記した。仮に攻撃を受けた際には米国が対処する方針に変化がないことも示した形だ。