虚偽開示は法的に許されない
「クーデター」の背景はともかく、川崎重工は4月の時点で「交渉の事実はない」という虚偽を発表したことになる。企業法務を専門とする浅見隆行弁護士は、こう解説する。
「上場企業は、株価に影響する情報については適式に開示しなくてはなりません。特に今回は統合という影響の大きな話です。投資家に対して嘘をついたということになり、法的には許されません。株価や信用が下がり損害が出れば、間違った経営判断を行ったとして取締役は賠償を求められる可能性もあります」
これを受け川崎重工も13日、「交渉の事実はありますが、何も決まっていません」と開示を書き直しているが、東京証券取引所では経緯などの説明を求める方針だ。
川崎重工はJ-CASTニュースの取材に対し、「事実と反する開示を行った責任についてはお詫びする」としつつ、問題の「不正確な開示」は解任された3役員によって行われたものだと回答するに留まった。
なお三井造船は14日、経営統合については「可能性を検討していた段階」だったとしつつ、「川崎重工からの突然の白紙撤回の方針につきましては、遺憾に存じます」と不快感を露わにしている。