米国産シェールガスの輸入 日本経済の「救世主」なのか

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採掘に大量の水が必要なのもネック

   米国の市況も、今後、何年にもわたって安定している保証はない。特に、シェールガス革命による製造業の米国内回帰やガス火力発電の増加による需要の 拡大が見込まれ、「LNG調達価格が一概に下がるとは思っていない」(エネルギー業界幹部)と冷静に受け止める向きもある。

   技術面での心配もある。米エネルギー省によると、採掘可能なシェールガス埋蔵量は、世界の年間ガス需要の約60年分というが、生産コストが高く現実に掘れないものもあり、業界では実際には3分の1程度しか掘れないとの見方がある。特にネックが水。効率良く掘れる「水圧破砕法」には大量の水が必要で、ガスがあっても掘れないことになるというわけだ。

   薬品を含んだ水により環境が汚染される問題もあり、フランスやブルガリアでは水圧破砕法を禁止。ドイツでは大半の業者が地下水を利用しているビール醸造業者団体が水圧破砕法での採掘に反対する騒ぎになっているように、今後、世界中で環境との折り合いをどうつけるかが問題になる可能性がある。

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