かつては「援交」用語だった
というのもJKという言葉が元々「援助交際」や「出会い系」界隈で使われていた言葉だからだ。当時のアダルト系掲示板などを見ると、こんなやりとりが確認できる。
「××のテレクラってJKとか よくかけてくるんですか」(2001年)
「JKとエンコ(援助交際)するにはどうすればいいでつか?」(2003年)
こうした「危ない」話題は露見を避けるため、わかりにくい隠語を使うのが当たり前だったが、「JK」もそのひとつというわけだ。そのため使用例が広まってからもどこか「いかがわしい」印象があり、違和感を覚える人も少なくない。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、そうした「違和感」を以下のように読み解く。
「『不倫』や『略奪婚』という言葉がテレビや雑誌でおおっぴらに語られるようになってから、言葉だけでなく行為そのものもある意味軽くなりましたよね。ネットスラングが一般的になることへの違和感も、言葉が認められることで、指す対象、それこそJKならば援助交際みたいなところまで容認されるように感じられるからじゃないでしょうか」
ネットスラングから一般化した言葉としては、ほかにも「ブラック企業」などがあるが、これも「かえって当のブラック企業そのものが開き直り、市民権を得た部分もある」。スマホの普及などもあってネットと現実の言葉の垣根は低くなりつつあるが、「もうちょっと使う言葉には慎重であっていいのでは」というのが井上さんの考えだ。