楽天リサーチ調査は「昨年と変わらない」が約4割
経団連によると、夏のボーナスは「戦後最長の景気回復」(2002年2月~2007年10月)を受けた2007年に93万8555円と過去最高を記録したが、リーマン・ショック後の2009年は70万円台に大きく低下。2010年から2年連続で80万円台に回復したが、2012年は震災や円高などの影響で70万961円と、再び70万円台に下落した。今夏は自動車業界の牽引で、84万円となったが、ピークだった2007年の93万円には及ばない。
自動車業界の一人勝ちともいえる今夏のボーナスだけに、サラリーマンの受け止め方はいたって冷静だ。楽天リサーチが全国の会社員・公務員1000人(20~69歳の男女)を対象に5月に行った調査によると、「夏にボーナスの支給がある」と答えたのは全体の約7割。全体の約6割が「景気回復の実感がない」と答えており、アベノミクス効果は今ひとつのようだ。ボーナスの支給見込額は「昨年と変わらない」が約4割でトップ。見込額は20万円以上50万円未満が35.5%と最も多く、50万円以上80万円未満が20.9%で続く。経団連の平均額84万円の水準(80万円以上90万円未満)は全体の4.4%に過ぎない。楽天リサーチの調査は中小企業や公務員を含んでおり、経団連の第1回集計は「製造業を中心とする恵まれた大企業の水準」ということになる。最終的にボーナス全体は本当に増えるのか、現時点では予断を許さないようだ。