今夏のボーナス増えるのか横ばいか 経団連の調査では自動車業界の一人勝ち

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   経団連による大企業の2013年夏のボーナスの妥結額の第1回集計がまとまり、高い伸びという数字に、評価が割れている。

   回答があった大手64社の平均は84万6376円。前年比7.37%増と2年ぶりのプラスで、この伸び率は「バブル期の1990年以来、過去2番目」という高さ。

   ただ、アベノミクス(安倍政権の経済政策)効果が浸透しているのは自動車など一部の業界に限られている。楽天リサーチが全国のサラリーマンを対象に行った調査によると、「夏にボーナスの支給がある」と答えたのは全体の約7割で、支給見込み額は「減りそう」が21.0%、「増えそう」が21.9%と拮抗している。果たしてボーナスは増えるのか。参院選も控える今夏、安倍政権のアベノミクス効果が問われそうだ。

前年比14.15%増の自動車は92万5859円

   経団連は毎年、東証1部上場の従業員500人以上の主要企業21業種、大手240社を対象に、夏のボーナスをめぐる労使の妥結状況を調べている。第1回目の今回の集計は、製造業59社、非製造業5社の回答を加重平均した速報値だ。最終集計は7月となる。今回、伸び率が最も大きかったのは前年比14.15%増の自動車で92万5859円。次いで4.96%増のセメントで68万1664円。電機は0.31%増の76万9211円にとどまった。一方、紙・パルプは5.48%減、繊維は4.87%減、非鉄・金属は1.20%減と、第1回集計に間に合った8業種のうち3業種はマイナスだった。

   一見してわかるのは、自動車業界の突出した伸びだ。輸出依存の高い製造業の筆頭で、アベノミクスによる円安効果が業績の反転に結びつき、ボーナスを押し上げた。反面、工場の海外移転で自動車よりも円安効果を受けにくくなった電機業界は微増にとどまるなど、明暗を分けた。自動車業界の突出した伸びが平均を底上げしたわけだ。

   では、伸び率はともかく、ボーナスの水準自体はどうなのか。企業のボーナスは「前年度の企業業績を基に春の労使交渉で大枠が決まる」(経団連関係者)という。今期の業績はもちろんのこと、前期の業績がボーナスの原資となるということだ。

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