「ブラック企業ではないか」との指摘があった居酒屋チェーン「和民」などを経営するワタミが、第三者による検討委員会(仮称)を設けて社内運営の総点検に乗り出した。
同社をめぐっては、渡邉美樹会長(53)が全社員に配布している「理念集」に「365日、24時間、死ぬまで働け」と、ブラック企業を思わせる記述が見つかったと、週刊文春(2013年6月13日号)が報じていた。
「365日、24時間、死ぬまで働け」渡邉会長の言葉重く…
週刊文春が入手した「理念集」は、渡邉会長の著書「父と子の約束」で「ワタミの仕事すべてに直結し、根底で支えている思想の原点」、「この理念集を否定したときは、君たちにこの会社を去ってもらう」としている「重要文書」で、ワタミの「バイブル」ともいわれる、とされる。
文春によると、ワタミでは2008年に入社3か月の女性社員が1か月141時間の時間外労働で抑うつ症状となり、自殺。12年2月に過労による自殺として労災認定されているほか、09年から12年にかけて、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督署から10件の是正勧告を受けているという。
そうした中でワタミは、委員長に元東京高検検事長である上田廣一弁護士を迎えて、「第三者による検討委員会」(仮称)を立ち上げると、2013年6月10日に発表した。
それによると、ワタミグループは法令遵守を経営上の重要なテーマとしてこれまでも取り組んできたが、6000人以上の社員が日々働く企業グループとなったことで、「今一度、各職場において、当グループが大切にしている理念に基づいた運営がなされているかという点について客観的で公平な立場から確認し検討する」としている。
J-CASTニュースは、「理念集」に「365日、24時間、死ぬまで働け」という記述があるのか、また見直すのか聞いたところ、「(理念集の)内容についてはお答えしかねる」ということだった。ただ社員が現在も、「理念集」を持って働いていることは認めた。