「アイドル」というより「人気のテレビタレント」
ならば、15万票はどのようにして生まれたのだろうか。「AKB48ヒストリー~研究生公式教本~」などの著書があるオタクジャーナリスト・篠本634(しのもと・むさし)さんに話を聞いた。
篠本さんは「熱狂的ヲタが1人で大量投票」しただけではなく、「多くのライト層が投票した結果」と見る。AKBにはもちろん熱狂的なファンも多いが、「人気者が好き」というライトでミーハーなファンもかなり多い。前田敦子さんがメンバーだった頃は多くのライト層が前田さんに投票していたが、前田さんが卒業し、前回はその票が色んなメンバーにばらけてしまった。
しかし前回選挙後に指原さんにスキャンダルがあり、離れていった熱狂的なファンも多いが、それをきっかけに新しく指原さんに興味を持ったライトなファンもかなり多いという。指原さんは多くのバラエティー番組に出演し、自身のスキャンダルも持ちネタにして、いまや「アイドル」というより「人気のテレビタレント」だ。そんな指原さんが「1位だったら笑うよね」という好奇心で、ライト層がこぞって指原さんに投票しただろうと見ている。
また、HKT48の他メンバーのファンからの応援もあっただろうという。HKTはここ1年でファンがかなり増えたが、指原さんがメディアで色んなメンバーの魅力をPRしたことがきっかけとなった人が多い。HKTファンにとっては、指原さんはAKBでいう高橋みなみさん、NMBでいう山本彩さんのような存在だそうだ。例えば投票権を5票持っているHKTファンが「推しメン」に4票投じるとしたら、残り1票は指原さんに入れるということも起こっていただろう、と話していた。