町の八百屋でも対応は必要
そうした中で、マイナンバー制度の導入にかかる企業の負担については、あまり知られていない。
野村総合研究所によると、多くの従業員を抱える大手企業ほど構築するシステムの規模が大きく、複雑になるため、負担は重くなると指摘する。たとえば、年金や雇用情報の取り扱いでは、正社員のほか、パートやアルバイトの情報管理も必要になるし、場合によっては家族の情報も必要になるためだ。
また、中小・零細企業だからといって無視できるものではない。「極端な話、町の八百屋でもアルバイトを雇えば、その情報を番号管理することになりますし、万一情報が悪用されれば、罰則が適用されます」と、梅屋真一郎・制度戦略研究室長は話す。
マイナンバー制度は現在も詳細を検討中。そのため、準備に二の足を踏んでいる企業は少なくない。
とはいえ、企業は2016年1月(予定)の制度導入までに、番号の管理や運用のためのシステムを開発して動くようにしておかなければならない。梅屋室長は、「13年秋にも準備を始めなければ、間に合わなくなります」と、警鐘を鳴らしている。