「軽3台売るよりレガシィを1台」 富士重工のオンリーワン戦略に大注目

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海外生産は米国の1か所のみで、国内生産比率は7割だが…

   この収益力の高さには、さまざまな要因が重なっている。ひとつは軽自動車の開発・生産からの撤退だ。富士重工は2012年春、名車「スバル360」以来の伝統をもつ「軽」を、ダイハツからのOEMに切り替えた。

   これに伴い、スバル技術本部で「軽」を担当していた技術者を主力のレガシィなど上級車の開発に振り向けたほか、「軽」の生産拠点だった群馬製作所(群馬県太田市)本工場で、トヨタと共同開発したスポーツカー(トヨタ86、スバルBRZ)など付加価値の高いクルマの生産を開始した。

   富士重工の関係者によると、「軽を3台売るよりも、レガシィを1台売る収益の方が大きい」という。まさに選択と集中の成果だ。

   富士重工の海外生産工場は米国の1か所のみで、国内生産比率は7割を越え、マツダと並んで輸出比率が高い。しかし、マツダがリーマン・ショック後の超円高に苦しみ、2012年3月期まで4期連続の最終赤字に苦しんだのに対して、富士重工は米国市場でレガシィなどの販売が伸び続け、2009年3月期こそ営業赤字だったものの、2010年3月期以降は営業黒字を確保するなど、マツダと収益力の差を見せつけている。

   富士重工がこれまでの円高でも売上高を伸ばし、黒字を確保できたのは、レガシィやインプレッサ、フォレスターといった看板車種のモデルチェンジにいずれも成功し、北米を中心に好調な販売を維持できたためだ。

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