「軽3台売るよりレガシィを1台」 富士重工のオンリーワン戦略に大注目

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   2013年3月期の国内自動車メーカーの決算は、トヨタ自動車の営業利益が2008年3月期以来5年ぶりに1兆円を超えるなど、各社ともリーマン・ショックからの回復を印象づける内容となったが、なかでもスバルブランドの富士重工業が世界販売台数、売上高、営業・経常・最終の各利益が過去最高となる快進撃を見せた。

   独自の技術で「オンリーワン」の商品を開発し、 円高でも高収益を確保するビジネスモデルは、経済専門紙が特集を組むなど、各方面で注目されている。

販売台数で7位も、最終利益で業界4位に浮上

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   富士重工の吉永泰之社長は5月8日の決算発表会見で、「世界販売台数は72万4000台と過去最高だった。2014年3月期も販売台数、売上高、営業利益など2年連続で過去最高を予定している」と述べ、中期経営計画で2016年3月期に85万台とする世界販売目標の達成に自信を見せた。

   吉永社長は過去最高益となった要因として、(1)安心と楽しさを追求したスバルらしい商品を投入できた(2)最重要市場の米国を中心に販売台数を拡大できた(3)好調な販売で生産工場の高操業が続いた(4)原価低減が進んだ(5)円高の是正が進んだ――をあげた。

   13年3月期決算では有利子負債を1年間で338億円減らし、そのうえで手元資金を822億円増やした。稼いだ利益を負債の削減に充てたことで、2000年以降初めて実質無借金になり、それが思い切った「攻め」の経営を可能にしたともいえる。

   富士重工は、「今後10年以内にスバルの年間販売100万台超えを目指す」としている。世界販売100万台とは野心的な数字だが、マツダの125万台、三菱自動車の102万台、独BMWの185万台、独アウディの145万台には及ばない。国内の乗用車メーカー8社の中で富士重工の世界販売台数は最下位だ。

   しかし、富士重工の2013年3月期決算の売上高は1兆9129億円と、三菱自、ダイハツ工業を抑えて6位。最終利益は1195億円でトヨタ、ホンダ、日産に次ぎ、4位と、かなりの高収益だ。

   最終利益4位のポジションは、2014年3月期予想でも変わらない。

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