「胸でミルクが生産」は怪奇現象か 女性誌の「妊婦ネタ」ツイートが波紋

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   「自分の胸でミルクが生産されるという、珍・仰天・怪奇現象…」。主婦向けの月刊ファッション誌「VERY」(光文社発行)が公式ツイッターでこうつぶやいたところ、女性漫画家らから反発が上がり、謝罪する事態になっている。

   主婦向け女性誌といえば、子育て中の女性らを応援する立場だ。しかし、7月号の内容を2013年6月4日に予告したこんなツイートが、騒ぎを起こしてしまった。

女性漫画家ら「下品すぎる」などと嘆く

「公式ツイート」が物議
「公式ツイート」が物議
「『断乳太り』の真実! 太るとか痩せるとかはともかく、男性からみると、自分の胸でミルクが生産されるという、珍・仰天・怪奇現象に平然としている女性というものに、生物的敗北感」

   これに対し、「臨死!! 江古田ちゃん」などで知られる漫画家の瀧波ユカリさんが翌5日のツイッターでこう切り出した。

「平然となんかしてない。可愛かったおっぱいが変わってくの悲しかった」

   さらに、「いまだに毎晩お風呂の前に鏡見てショボーンってしてます」と漏らし、女性誌に言われて「敗北感すごい」「ショック」と嘆いてみせた。

   しかし、VERYの公式ツイッターは、この発言をフォローするつもりだったらしく、次のようにユカリさんあてにつぶやいた。

「なるほど、妊娠授乳中にうかつな男が近づかないように『可愛くなく』一時的にトランスフォームするわけですね。妊婦ヌードが売れないわけです。そういう問題じゃないか」

   すると、ユカリさんは、「編集部内でツイートの内容について検討されたほうがよいのでは」と遺憾の意をツイッターで示した。同じ漫画家の東村アキコさんも、発言に賛同して、「妊婦さんに失礼ですよ」とVERY側を批判した。

   東村アキコさんは、公式ツイッターのプロフィールに「公私をわきまえず、思いつきで」と書いてあるのにあきれ、「ユーモアのつもりかもしんないけどさ、下品すぎるよ」と嘆いた。

「男性からみると不思議と言いたかった」

   ツイッターなどでは、ほかにも批判が相次ぎ、VERYの公式ツイッターでは、2013年6月5日に謝罪に追い込まれてしまった。そこでは、「女性の体は男性からみると不思議だ、ということを言いたかったのですがたしかに下品でした」と言っており、VERYの公式な見解ではないとしたうえでツイートを撤回するとしている。

   一方で、瀧波ユカリさんらの批判に対し、VERY側は冗談で言っているだけではないか、何もそこまで責めなくてもいいはず、といった疑問もネット上で相次いだ。この点について、ユカリさんは、「女性誌のアカウント発信だったので、見過ごせなかった」「いつでもどこでも言っていいとは思わない」とツイッターで反論している。

   VERYの編集部に取材すると、公式ツイッターは中年男性の副編集長が担当していることを認めた。

   光文社では週刊誌出身ということもあってか、副編集長は12年1月、公式ツイッターでの発言を「ブラックでディープで無意味なツイート」と自称していた。また、「ずれている」「ふざけている」「どうかしてる」と読者から指摘され、そのときは、発言を自らのフェイスブックへ移行したいとも漏らしていた。

   今回のツイート後も、謝罪前には、「男性が大量に生産するおたまじゃくし達の方がもっと不思議」とのつぶやきに、「たしかに! あれは小さくてよく見えないからいいようなものの、おたまじゃくしがうじゃうじゃ視認できたらじぇじぇじぇ! ですよね」などと返していた。

   ツイートについて、VERYの編集部では、こう説明している。

「本人は、主婦や妊婦の方を大切にして、応援していきたいと思ってやっています。今回は、使う言葉を間違えてしまったので、本人も反省しています」
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