球界の大御所・張本勲さん(72)が、大リーグのブルージェイズ・川崎宗則選手(31)に「喝!」を飛ばした。
張本さんいわく、川崎選手のパフォーマンスが「はしゃぎすぎ」「アメリカに失礼」だという。もっとも実際の現地での評判を見ると「失礼」どころか大受けに受けているらしく、国内では「的外れな発言だ」と逆に張本さんに「喝!」を入れる声が相次ぐ。
「アイムジャパニーズ!」と高らかに宣言
川崎選手といえば「ムネリン」の愛称、また先輩・イチロー選手(39)を強く慕っていることも有名で、数々の「ガチ」すぎるエピソードが知られる。今シーズンはマイナー契約から這い上がってメジャー入りを果たすなど、奮闘を続けている。
そんなムネリンに、2013年6月2日の「サンデーモーニング」(TBS系)で「喝!」が出た。5月27日(現地時間26日)のオリオールズ戦で、川崎選手が逆転サヨナラ二塁打を決めた場面だ。ここまではもちろん張本さんも文句なしのはずだが、問題はその後。メジャー入りして初めてのヒーローインタビューに立った川崎選手は、
「センキューベリーマッチ! マイネームイズ、ムネノリカワサキ! アイムフロムジャパン、アイムジャパニィーズ!」
と見事なまでの「カタコト英語」で絶叫、さらに「カンペ」を取り出し、「マイチームメイトギブミーアンオポチュニティー、ソーアイウォントトゥードゥーサムシングアバウトイット(チームメートがチャンスを作ってくれたので、なんとしても打ちたかった)」と続けたのだ。
張本さんはこのインタビューがお気に召さなかったようで、
「たまたま打ったんだから、あんまりそんなはしゃいじゃダメよ」
「もう少し英語を勉強しなきゃ。2年(メジャーに)行ってるんでしょう? (カンペを)見ないで喋れるようにならないと」
とダメ出しした。さらに「アメリカに失礼ですよ」と厳しいお言葉も。
元々、張本さんはメジャー関係の話題になると特に辛口になる傾向が強い。2012年11月にも、日本人選手の「メジャー挑戦」に対して「みじめに帰ってくるだけ」と辛辣に評している。前週5月26日の番組でも、「アメリカのバッターはへぼバッターが多いねえ」とぼやいていた。
それにしても、川崎選手は張本さんがいうように、「失礼」と思われているのだろうか。
「カワサキをトロントの市長にしよう」
上述のヒーローインタビューは「失礼」どころか、現地では極めて好意的に受け入れられている。確かに英語は得意でない川崎選手だが、以前から本拠地・トロントのファンからはそのプレーに加え、言葉の壁をものともしないユニークな言動が評判を呼び、その「おじぎパフォーマンス」や、やたらにうまいダンスなどが語り草となっていた。
そこに来ての「アイムジャパニーズ」インタビューは全米で評判となり、大リーグの公式サイトを始め、各種スポーツメディアも、「伝説のインタビュー」「史上最高」などと相次ぎ取り上げている。今や球場では、
「カワサキをトロントの市長にしよう」
なるプラカードを掲げるファンまでいるほか、ネット上では来るオールスター戦に川崎選手を出場させよう、との呼びかけまで行われているほどだ。
そんな事情もあってか日本の視聴者からは、ネットを通じ、
「あれをパフォーマンスとして捉えられないっていつもなにを見てるんだか 川崎だっていっぱいいっぱいだろうに 応援するならともかく批判すんなよ」
「アメリカ人じゃあるまいし、失礼かどうかなんて判断する資格がハリーにあんのかね」
と辛辣な反応が目立っている。