手元にある現金などが借入金を上回る「実質無借金」経営の上場企業が増えている。日本経済新聞が2013年6月2日に報じた。2012年度末では52%の企業が実質無借金となり連結決算が本格化して以降、初めて半数を超えた。
金融を除く上場企業の12年度の現預金と短期保有目的の有価証券などをあわせた手元資金と長短の借入金など有利子負債を比べた。手元資金が有利子負債を上回った企業は1749社に達し、全体に占める比率は約2ポイント増加。2000年度以降で初めて過半数になった。
12年度末の上場企業の手元資金は3月期決算企業で66兆円と過去最高。手元資金は財務の健全度を示し、潤沢なら収益悪化への抵抗力が強いことを示す。リーマン・ショックや東日本大震災以降、不測の事態に備えて、財務体質強化を優先する企業が増えてきたといえる。