シャープのスマホ「IGZO」 充電なしで「心おきなく、2日間」使えるか

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   スマートフォンの電池が長持ちするというのも売り物にもなっているシャープの半導体IGZO(イグゾ)。「心おきなく、2日間」というフレーズで、充電なしにスマホが連続で使えると宣伝しているが、どうやらそれは少し言い過ぎのようだ。電池を2日間持たせるために1日に使用できる時間は80分なのだという。

   ネットでは、1日80分スマホを使うことは結構あり、「誇大広告じゃないのか?」との批判も出ている。

80分なんてあっという間に過ぎてしまう

   IGZOは静止画を表示中に電気を使わなくて一定時間、表示内容を維持することができたり、発光効率を向上させたりして、消費電力量の低減を実現した。IGZO搭載の第一弾となった「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」は2012年11月29日に発売した。13年5月23日に行われた13年夏モデルの説明会では、「14年度にはIGZOパネル搭載率を100%にし、電池持ちナンバー・ワンのブランドになる」などと気勢を上げた。

   スマホを使う際にいつも心配になるのは電池切れで、ヘビーユーザーは常に充電し続けている。IGZOの登場はこうした懸念を払拭してくれるものと期待され、いったいどれくらい電池が持つのかとユーザーはいろいろ実験を行い、その結果をブログなどで紹介していた。

   そうした中で、2013年 5月24日に発売された「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」に驚きの説明があったとネットで話題になった。シャープの公式ホームページに「2日間を越えて次のステージへ、IGZO」という広告があり、つまり2日間充電なしに使えるという意味なのだが、「2日間」の説明にはこう書かれている。

「1日あたり計約80分間の利用があった場合の電池の持ち時間です(シャープ調べ)」

   この80分の内訳だが、Webなどの閲覧が約40分、メール・電話が約20分、ゲーム・動画・音楽を約15分、その他アラームなど5分だという。

   ネットではスマホを使っていると80分なんてあっという間に過ぎてしまう、という人が多く、

「2日間どころか半日も持たないってことなのか?」
「もう笑えるというより情けないわ。しっかりしろよ日本企業!!!!!!!」

などと騒ぎになった。

「静止画の連続再生時間は3.6倍も伸びた」とシャープ

   シャープ広報に話を聞いてみると、一般的なスマホユーザーの利用状況を調べて弾き出した数字であり、1日約80分程度の使用なら2日間充電が必要ないのだそうだ。それにしても、IGZOの前評判や宣伝内容などから考えれば使用できる時間が短いのではないのだろうか。シャープ広報によれば、IGZOの搭載によって電池が長く持つようになったことは間違いなく、例えば、11年冬モデルの同社FOMA端末「SH-01D」は、電池が切れるまで静止画を連続5時間、動画を連続4時間再生できたが、12年のIGZO搭載の冬モデル「SH-02E」は静止画を連続18時間、動画を連続11時間再生できていて、今回話題になった「SH-06E」も同じように長時間電池が持つようになっている、と説明した。

   あるスマホメーカーの担当者に聞くと、IGZOの省電力化、長時間使用できる技術は凄い、と評価した。そのうえで、

「スマホの利用時間や、使うアプリによって電池の持ちは異なるためユーザーの感想はそれぞれだと思うが、イグゾといえどもヘビーユーザーなら半日も持たない。一日80分の使用で2日間持つ、という宣伝の是非についてはコメントは差し控えた」

と話している。

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