盗んだ仏像「どうしても返さない」 韓国の僧侶、教授らが討論会で「怪気炎」

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「モナリザ」引き合いに「入手方法証明せよ」

   韓国側としては「朝鮮王室儀軌」がすべてではなく、「日本が不当に持ち去った」とみる文化財は日韓基本条約の範囲外として返還を要求するようになった。

   とはいえ、盗品である仏像を韓国内にとどめ置くには問題もある。1970年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)で採択された「文化財の不法な輸出、輸入及び所有権譲渡の禁止及び防止に関する条約」だ。文字通り文化財を盗難や盗掘といった不法な手段による流出から防ぐために制定され、「締約国がこの条約に基づいてとる措置に反して行なわれた文化財の輸入、輸出又は所有権譲渡は、不法」と規定されている。窃盗団が持ち込んだものであれば、条約違反なのは明らかだ。そのうえで締結国に対して、盗品である文化財の「原産国」への返還を義務付けている。

   日韓両国ともユネスコの加盟国で、当然この条約も効力を発揮するはずだ。

   この点について、先の討論会を報じた別の韓国ニュースサイトは、キム・ギョンイム氏が「モナリザ」を引き合いに出して反論を図ったという。もともとはイタリアのレオナルド・ダビンチの作品だった「モナリザ」は、16世紀にフランスのフランソワ1世が購入し、現在もフランスが所有している。つまり仏像2体についても、日本がフランスのように正規の方法で手に入れたと証明しなければならない、という理屈だ。今回の窃盗団による仏像の韓国持ち込みはユネスコの条約に反するが、そもそも何百年も前に「略奪」したのは日本で、「原産国」は韓国だと強弁する。

   日本側は、新藤義孝総務相が5月25日に対馬を訪れた際、「観世音菩薩坐像」を所蔵していた観音寺を訪問。仏像返還に向けて努力すると話したという。すでにユネスコの条約に基づいて、外交ルートを通じて交渉が続けられているが、日韓関係そのものが停滞しているうえ韓国側は司法判断まで「返還の必要なし」となっている。解決は当面不可能な情勢だ。

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