アップルにも「株主還元」を要求
米国で企業に提案活動を行ってきた物言う株主は、2008年のリーマン・ショック後は資金難から鳴りを潜めていた。しかし、米株式市場が活性化するとともに再び動き始めた。標的になっているのが、企業がため込んできた資金だ。
米国の物言う株主として名をはせるデビッド・アインホーン氏は2月、米アップルに対して巨額の手持ち資金を株主還元するよう要求して対立姿勢を示し、アップルが4月に配当増などの株主還元策を発表するきっかけを作った。ほかにも著名投資家と企業の対立は表面化。物言う株主の発言権は確実に高まっており、米国企業も警戒を強めている。
アベノミクスで株高が進んだ日本。「米国同様に日本企業も潤沢な手持ち資金を抱えており、物言う株主の動きが日本に波及する可能性は高い」(アナリスト)だけに、ソニーの動向を注視する企業は少なくない。いつ標的になるか分からず、一部に、水面下で対策を講じる動きも出始めているという。