アベノミクスで顧客の心理に変化
長期金利の先高観が強まったことで、最近は固定金利型住宅ローンを選ぶ人が増えている。
あるメガバンクは、「2012年10~12月期と13年1~3月期と比べると、固定金利型を選ぶ人の割合が増えてきました」という。窓口では、変動金利型から固定金利型への借り換えの相談も増えた。
住信SBIネット銀行は、2013年5月の住宅ローンの申込件数は「前年に比べて倍増しそう」とし、「申し込みの7割が固定金利型住宅ローンを選んでいます」という。「昨年の今ごろは申し込みの7割が変動金利型を選んでいました。固定金利型を選ぶ人が増えてきたのは、やはりアベノミクス以降ですね」と話している。
5月のメガバンクの最優遇金利は10年固定型で年1.40%。変動金利型は1%を割る0.875%だ。「変動金利とほぼ同じ水準ならば、固定金利にしたほうが安心」という声は少なくなく、そうしたことから、「借り換えるなら今」との考えも広がってきた。
たしかに、変動金利型は半年ごとに金利が変わるので、返済額は一定ではない。ただし、毎月の返済額が変わるのは通常5年ごと。半年に1回変わるのは、返済額に占める利息と返済元本の割合、つまり利息の負担額になる。
もちろん、金利が上昇すれば返済負担は増す。とはいえ、変動金利が上昇するときには、固定金利はさらに高い水準にあるケースがほとんどだ。