今からだと対立候補擁立間に合わない?
ただし、最近、橋下市長の市長としての支持率を調べた調査は少ない。最も新しいとみられるのが13年2月23日と24日に朝日新聞社と朝日放送(ABC)が大阪府民を対象に行った電話世論調査で、橋下氏の支持率は前年比9ポイント減の61%で、松井氏の支持率は同1ポイント増の55%だった。同時期の産経・FNN調査での日本維新の会の支持率は9.6%だった。仮に橋下市長の支持率が維新の支持率と比例する形で減少したとしても、40%程度の支持率を保っている可能性がある。
このような状況で選挙戦に突入し、仮に橋下氏が再び当選した場合、橋下氏の議会に対する立場がさらに強くなるのは確実だ。投票結果を考えた場合、選挙に持ち込まない方が得策だという判断が働いた可能性もある。
さらに、「結果に関係なく、選挙自体を避けるべき」という考え方もできる。市政が混乱することに加え、すでに各党は「参院選モード」で、ここに市長選が重なった場合、参院選に支障が出るからだ。
橋下氏が当選した11年11日の大阪市長選では、橋下氏が75万0813票を獲得したのに対して、無所属の平松邦夫氏は52万2641票。平松氏は自民の支持、民主・共産の支援を受け、「相乗り」に近い形だったが、大差での敗北に終わった。橋下氏の「退場」を狙う側からすれば、十分な準備をして一本化された対立候補を擁立する必要があるが、現実的にはほとんど不可能。公明以外の各党も、今の時期の市長選には気乗りがしなかったと思われる。