総長は辞任、前理事長は居直り… 中央大「入試不正」今なお荒れる

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   中央大学の混乱がやまない。付属中学の入試をめぐり2012年9月に発覚した不正事件が、いまだに尾を引き続けている。

   当事者である久野修慈・前理事長がOB・OG会会長の続投を決めた一方、問題の受験生の入学を差し止めた福原紀彦・総長兼学長は「人権侵害」との批判を受けて辞意を表明する事態に。いったい何が起こっているのか。

入学差し止めは「やりすぎ」「人権侵害」

   問題となっているのは2012年2月、中央大の付属高校である横浜山手中学校(現:中央大学付属横浜中学校)が入試に際し、成績が規定のラインに届かなかったにも関わらず、同大OBの孫である受験生を合格させた事件だ。

   久野理事長は同中学の田中好一校長(ともに当時)に対し、「(OBは)多方面に高額の寄付をしている」「よろしく」などと繰り返し電話し、合格ラインに満たない成績だった受験生を通すよう強く働きかけたとされる。田中校長は理事長からの圧力を受け、校内会議で強引に問題の受験生を合格者の中に入れ込んだ。

   対して後から事実を知った福原総長は、この不正を理由に合格を取り消すように同中学に求めた。結局、入学1か月前の3月になって同中学では合格を撤回した。

   9月に新聞報道で問題が発覚、翌10月に久野理事長は「不正入試事案に関与したにもかかわらず、その責任を認めず、学校法人中央大学理事会をはじめとする学園全体を混乱させた」として解任され、田中校長も11月30日付で辞任するに至っている。

   以後、メディアもほとんど触れることがなくなったこの問題だが、実は火種は依然としてくすぶっていたらしい。ここに来て、福原総長が辞意を表明したのだ。中央大広報室によれば5月25日の評議会で足立直樹理事長が、福原総長が学園全体の代表である総長職から降りる意向を明らかにしたという。

   不正に反対した立場の福原総長が、辞任に追い込まれたのはなぜか。産経新聞が報じたところでは、福原総長が指示した「入学取り消し」に対し、「やりすぎ」との批判が学内から出たためだという。事件後に大学が設置した第三者委員会も、入学取り消しは「重大な人権侵害」と批判しているとされる。

   確かに最大の「被害者」は不正の事情を知らなかった受験生であり、その点では福原総長は批判を免れ得ない。しかしそれにしては、責任を取るのがいささか遅い感もある。

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