登山ルートにゴミ散乱、山頂付近は「大渋滞」 エベレスト登山者急増で深刻化する環境問題

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   冒険家の三浦雄一郎さんが80歳にしてエベレスト登頂に成功した。史上最高齢での快挙は、日本国中を沸かせた。

   ただ、一方でエベレストは、別の側面でも注目を浴びている。月刊誌「ナショナル・ジオグラフィック」が特集を組み、急増する登山者により山頂付近では大行列ができ、登山ルートにはゴミが散乱といった現実を浮き彫りにしたのだ。

下山中に死亡した人が置き去りに

「エコヒマル」によるエベレスト第2キャンプでのゴミ回収作業準備の様子 (c) EcoHimal
「エコヒマル」によるエベレスト第2キャンプでのゴミ回収作業準備の様子 (c) EcoHimal

   ナショナル・ジオグラフィック(ナショジオ)電子版では、6月号の誌面に掲載される特集記事「満員のエベレスト」が一部公開されている。写真には驚きの光景が写っていた。

   ヒラリーステップ。エベレスト山頂直前で待ち構える、高さ12メートルの岩と氷の壁だ。三浦さんも登頂前に自身のフェイスブックで「ヒラリーステップを通過…あと30分ほどで登頂予定です」と、最後の難所をクリアした喜びを報告していた。

   ナショジオの写真を見ると、この危険な場所で大勢の登山者がひしめき合うように「大渋滞」を起こしている。登頂までに2時間以上待つこともあり、「列をなした人々が寒さに凍えながら体力を消耗していた」という。

   別の写真では、標高7906メートル地点にある第4キャンプの様子が見られる。登山者が使ったテントや使用済み酸素ボンベが放置されたままだ。標高の高い場所にあるキャンプでは、ゴミ撤去もままならない。さらにショッキングなのは、下山中に死亡した人が置き去りにされ、その脇を登山者が進んでいく1枚だ。遺体は出身国のカナダの国旗でくるまれ、死者への最低限の「敬意」は払われているが、そのまま地面に横たわる姿が痛々しい。

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