発言意図確認しなかった記者を非難「一言僕に問うてもらえれば…」
囲み取材での一連のやり取りの内容を総合すると、橋下氏の主張は「発言していないことが書かれている」という点に尽きるが、その中でも大きく2つの要素があるようだ。ひとつが、橋下氏の意図をきちんと確認しないまま見出しをつけたという主張だ。記者は、
「その後の夕方の(囲み取材の)発言と一続きで考えてしまう。そうなると、橋下さんを含めて『当時』必要だったと受け取らざるを得ない」
と、全体の文脈を踏まえた上で適切な見出しがついていると主張したが、橋下氏は、
「それは、だから記者が感じたことなので、一言僕に、その後の(囲み取材の)発言で『じゃあそういうことだったら慰安婦制度必要だったと考えているんですか?』と問うてもらえれば、『慰安婦制度が必要だ』なんて、そんなん言えるわけないじゃないですか」
「僕が発言していない、僕が『慰安婦制度が必要』なんて一言も言っていないことを、色んな全体の文脈から推測して、見出しに『慰安婦制度必要』と打つのは誤報だと思う」
と反論している。
ただ、「『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないかと発言した」という市長の主張についても、「慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」とも発言しており、文脈を考えると、本人も必要だと考えていると受け止められてもおかしくない。
もうひとつが、「傍論」として述べたことが不当に大きく取り上げられたという主張だ。橋下氏は、問題の発言が出た経緯を説明する中で、安倍晋三首相や自民党の高市早苗政調会長の発言と対比しながら、
「僕はもう、『これは侵略として認めるべき』だと言った。そっちの方がメインの見出しになるべきだと思いますけどね、本来は。だって入社試験で13日の内容を200字以内にまとめろと言われた時は、そこ(従軍慰安婦に関連する部分)は問題点ではないことは明らかではないと思いますよ。要約すれば」
と述べた。