自転車専用レーン整備の「モデル地区」つくったが…
自転車の車道通行促進のため、警察庁は自転車専用の走行場所の整備が不可欠としている。2011年9月には「普通自転車専用通行帯」という標識を新たにつくり、車道での「専用レーン」確保のために活用しているという。
これに先立つ2008年1月、国土交通省と警察庁が連携して全国98か所の「モデル地区」を設置。自転車専用レーンの整備に取り組み始めた。国交省のウェブサイトには東京都渋谷区や三鷹市で自転車レーンが新設された様子を写した写真が公開されている。2012年11月には、国交省の「安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた検討委員会」の提言を受けて、自転車レーンの設置を含む「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を公表している。
だが現状では、専用レーンが順調に増えているとは言えなさそうだ。NHKの報道によると、2012年度で整備されたのは53か所にとどまっているという。自転車通行可の歩道が撤去されたのが昨年1年だけで516か所に上っており、自転車が「行き場」を失っている印象を受ける。
この問題はインターネット上でも議論になっている。ネット掲示板には、車道走行は危ない、歩道をゆっくり走ればいいのではないか、といった自転車利用者の意見や「車道走らせるなら、(自転車を)免許制にしてほしい」と、車を運転する立場からの声も出ている。