景気ウォッチャー調査「景気は持ち直している」と総括
牛丼業界以外も、飲食業で景気回復を予感させる声が増えている。内閣府が全国のスーパー店長やタクシー運転手、製造業経営者らに景気動向を尋ねる「景気ウォッチャー調査」では、高級レストランと一般レストランの経営者・店員やスナック経営者らに景気動向を聞いている。5月10日発表の4月の景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが前月比0.8ポイント低下の56.5と、6カ月ぶりに低下したが、「景気は持ち直している」と総括された。
飲食業では「ディナーで高いコースが出るようになった」(九州の高級レストラン)、「まだ会社関係の宴会はゼロに等しいが、個人、家族の客は多少増えている」(北関東の一般レストラン)、「まだ客の出足は悪いが、1、2月のようなひどさではなくなった。忙しい日が時々あり、少し展望が良くなっている」(東北の一般レストラン)など、景気回復をうかがわせる声が現場から寄せられている。
円安・株高の一方で、賃金上昇にはなお時間がかかるとされるが、アベノミクスの「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」の効果は現れているようだ。今後「民間投資を喚起する成長戦略」が進められる中で、牛丼の底打ちが外食産業に全体にどのように波及していくのか、あるいはポシャってしまうのか、景気分析の手法としても興味が尽きない。