チェコの首都・プラハの地下鉄に、独り身の男女を対象とした「出会い専用車両」が年内にも登場するという。
「人々はその車内で出会ったり、すれ違ったりして、もしお互いに好きだと感じたら、関係をスタートすることができます」
2013年5月17日、プラハの交通社のスポークスマンが発表した。
「これが噂に聞く『プラハの春』ですか」「チェコすげえ」
2013年5月19日にAFP通信が伝えたところによると、スポークスマンは、この特別列車は公共交通機関の人気を高めるためのひとつの手段で、「公共交通機関で出来ることを人々に示すキャンペーン」と話したと言う。
「読者や勉強に加えて、通勤客はいちゃついたりデートをしたりできるようになるわけです」
なお、「出会い列車」とはいえ、海外で主流の、厳密なスピードデート(男女が一対一でそれぞれ数分間の中で自己紹介することを複数回行い、気に入った相手を見つけるオフイベント)ではなく、アプローチに関しては自由できる。2013年の終りにも開始する予定という。
日本にも婚活イベントとして「婚活列車」が実施されたことはあるが、これはそもそも出会いを目的とした男女が事前に申し込んで、専用の列車を借り上げて司会つきでおこなうものだ。
現段階ではプラハの「出会い専用車両」がどのくらいの頻度で運行するのかは不明だが、「女性専用車両」のように、ホームに入ってきた電車に乗るだけで出会いのチャンスが訪れる「出会い専用車両」になるとしたらかなり珍しい。
日本のネットでは、「チェコすげえ」「これが噂に聞く『プラハの春』ですか。 痴漢や痴漢冤罪の応酬でカオスな日本の鉄道に比べると、ストレート球でよいかもしれませんね」「国内外から人が殺到だなきっと・・・!」「すげえな。ちょっと乗ってみたいw」と驚きの声が相次いだ。
「痴漢の温床になる予感が」と不安の声
ただ、「痴漢の温床になる予感が『求めてたんだろ?』みたいな」という懸念もある。
もちろん、チェコでもさっそく賛否両論が出ているようだ。雑誌のアンケートでは、「すばらしい考えだ」と賛成する人が54%いた一方で、「まったくばかげた話」と反対する人が42%いた。
「もしもラッシュだったら、目に付いた最初のドアに入りますよね。そうしたら、周囲を見回して、誰も私を口説き始めないことを確認しないといけない」
「誰かが私を車両の中で見かけて、私のボーイフレンドに知らせたらどうするの?」
とするプラハの女性らの不安もAFP通信は記事中で紹介している。
キャンペーンをおこなう会社は今後、どの車両に導入するのがもっともふさわしいか、電車をいくつ使うべきか、そしてどんな標示をすべきかについて検討中で、乗客にアンケートをとる予定だと言う。