外務省「要請に規制のニュアンスはなかった」
ところで、国連の社会権規約委員会が最終的には、日本政府に規制を求めていると受け止めていいのか。
外務省の人権人道課では、委員会から2013年5月21日にヘイトスピーチについて勧告する内容の報告書が届いたことを明らかにした。そこでは、規制をしてほしい、取り締まりをするように、といったニュアンスはなく、ヘイトスピーチを防止するために、慰安婦について一般公衆を教育するようにとの要請だったとした。
朝日の報道については、人権人道課では、「防止目的はそうですので、間違いとは申し上げませんが、正確に言えば、教育して下さいというのが趣旨でした」と言っている。
委員会の審査では、日本政府としても主張し、慰安婦問題については教科書に書いてきちんと教育していると説明したとした。また、慰安婦は条約に加入する前のことで、審査の対象にはならないと述べたという。ヘイトスピーチ規制などの要請があったかについては、「そういった聞き方はされていません」と否定している。
委員会の要請を受けて今後どうするかは、国内的な問題になるので、関係する省庁が対応することになるという。
なお、国連では、別の拷問禁止委員会が日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の慰安婦発言について日本政府の見解を求める事態にもなっている。