日本維新の会の橋下徹共同代表の、いわゆる従軍慰安婦をめぐる発言を理由に参院選での選挙協力の解消を決めたみんなの党が、どういう訳か山梨選挙区(定数1)については引き続き協力関係を維持することが明らかになった。みんなの党側は「応援してくださる方であれば、どなたであっても歓迎する」と説明するが、一度は「関係を断ち切る」とまで言い放った間柄。早くも「例外扱い」が出たことで、有権者からすれば分かりにくさが残るのが実際のところだ。
「みんな」が現職を擁立して維新が推薦することが決まっていた
橋下氏の発言をめぐっては、みんなの党の渡辺喜美代表が5月19日に「関係を断ち切る」と断言し、5月21日には、正式に協力解消を決めていた。松井一郎幹事長(大阪府知事)も、
「色々と厳しい状況だが、正面から戦う」
と述べ、対決姿勢を鮮明にしていた。ところが、早くも例外扱いが明らかになった。
山梨選挙区では、みんなの党が現職の米長晴信参院議員を擁立し、維新が推薦することになっていた。同選挙区の扱いをめぐり、維新の会の小沢鋭仁国対委員長は5月22日の記者会見で、渡辺氏と5月21日に交わした会話の内容を明らかにした。山梨県を地盤にする小沢氏によると、渡辺氏は
「山梨については、このまま(協力を)続行してもらいたい」
などともちかけ、小沢氏も「承りました」と了承したという。
浅尾慶一郎政調会長は5月22日の会見で。
「選挙協力が白紙になったからと言って、法案についてはお互いに賛成できるものについては、向こう(維新)の法案であっても、こちらでヒヤリングして賛成できるものは賛成していく」
と、法案については維新と共闘があり得ることを明らかにしている。