日本を代表する狂言師として知られた茂山千作さんが、肺がんのため京都市内で亡くなった。93歳。
本名は七五三(しめ)。江戸時代から続く狂言大蔵流・茂山千五郎家に生まれ、「天衣無縫」と評される芸風で活躍。弟の故・千之丞さんとともに活躍。終戦直後の困難な時期も含め、狂言の普及活動や他ジャンルとの交流に努め、同家のお家芸である親しみやすい「お豆腐狂言」を体現する存在だった。90歳以降も舞台に立ち、狂言界の長老として敬愛された。
1966年からは12世千五郎、94年に隠居名である4世千作を襲名した。1989年に人間国宝指定、2007年には狂言界初となる文化勲章を受章している。