日本維新の橋下徹共同代表(大阪市長)の、いわゆる従軍慰安婦をめぐる発言は、大阪市議会でも大きな批判を呼んだ。この批判に対して橋下氏が口にした反論のひとつが、「自民党がやらないから」。自民党が下野している間は、慰安婦問題について活発に発言する議員もいた。たが、確かに橋下氏が指摘するように、政権に復帰してからは持論を「封印」した状態が続いているようだ。
稲田行革相、12年8月の寄稿では「謝罪も補償も必要ではない」
2013年5月21日の市議会では、自民党の木下吉信議員が、橋下氏の発言が国際問題に発展したことを指摘しながら
「『私の余計な一言でお騒がせしました』という謝罪の一言もないんですよ」
「一体、何様のつもりで発言されるのか」
などと非難した。これに対して橋下氏は
「『何様のつもり』と言われれば、おっしゃるとおり。ただ、僕は大阪市長であり国政政党の代表でもある。自民党がやらないのであれば僕がやる。発信する」
と反論した。
実はここ数年は、自民党の一部議員からも活発な発言が行われていた。例えば稲田朋美行革担当相は12年8月31日の産経新聞への寄稿で、
「『慰安婦』問題については、日本の政府や軍が強制連行した事実はない、と明確に主張しなければならない。問題の核心にある『強制連行』がなかったのだから、謝罪も補償も必要ではない。当時は『慰安婦』業は合法だった」
と、謝罪する必要性を明確に否定。その上で、国際社会に対する情報発信の必要性も強調していた。
「それにもかかわらず『強制性』を認めて謝った河野談話を否定し、韓国や米国で宣伝されているような、朝鮮半島の若い女性を多数、強制連行して慰安所で性奴隷にしたといった嘘でわが国の名誉を毀損することはやめていただきたいと断固、抗議すべきである」